4.人間はカルマの塊である
 
海外のRPGというのは、テーブルトークが基となって作られていたのが殆どである。 しかしこの時代の日本には、テーブルトークで遊ぶプレイヤーは少なく、馴染みのない分野であった。強いていうなら、ボードゲームの『人生ゲーム』ぐらい、という人が多かったのではないだろうか?

1984年。この年に日本独特のRPGが登場する。 日本ファルコム社の『ドラゴンスレイヤー』(1984年9月)と、 T&E社の『ハイドライド』(1984年12月)である。

DORAGON SUREYER
ドラゴンスレイヤー
HYDELIDE
ハイドライド

この2つのゲームは、RPGに”アクション”を取り入れたゲームだ。アクションといっても、 飛んだり跳ねたりするのではなく、フィールド上を移動するシーンと敵と戦うシーンが同一の画面で展開 されるといった意味合いである。

『ウルティマ』や『ウィザードリィ』の様に敵に遭遇してから戦うのではなく、画面上に存在している 敵にそのままぶつかって戦う。その際に重要なのは、RPGといえばこれだという”レベル”だ。

敵を倒しながら”経験値”を稼ぎ、キャラクターをレベルアップして成長(攻撃力や体力値のアップ) していかないと、強い敵には攻撃が効かなかったり、すぐに叩きのめされたりしてしまう。

このRPGの要素がプレイヤーに受けた。アクションが苦手でもレベルアップすれば敵を倒せるし、 とりあえず謎に詰まってもレベルを上げる楽しみがあるので、AVGよりもプレイヤーが長く楽しめた。 人気が出るのも頷けるというものだ。

『ドラゴンスレイヤー』は、アクションの他に”パズル”の要素も入っていた。 ドラゴンが守る四つの王冠を探し出すのだが、パズルゲームの様に壁を押して道を作ったりすることができるという、珍しいゲームだった。 自由に迷路を変えられたので、敵が出現する墓の周りを壁で固めてしまうなどのテクニックも使えた。 また魔法が8種類もあり、なかでも敵を凍らせたり、時間を止められるという魔法は役に立った。

敵キャラも非常に個性が強かった。”足”とか”タ○リ”とかでてくるし(逝)

このアクションRPGという新しいジャンルのゲームは、『ハイドライド』の登場で一気にブームとなる。

『ハイドライド』は提示性は薄いがきちんとしたストーリーがあり、謎を解きながら進んでいくAVGの要素も入っていた。 王国の平和を維持するために必要な、3人の妖精や宝箱を探し出すのに苦労した人も多いと思われる。 しかし決して難易度が高いというわけではなく、きちんとしたシナリオをベースにゲームをクリアしていけた。これが人気を得た理由だろう。

RPGの重要な要素である戦闘は、攻撃と防御がスペースキーを押すだけで切り替えられたので簡単だった。 ただ、攻撃しているつもりで敵にぶつかっていたら、実は防御していたということがよくあった・・・。
草地でじっとしていれば体力が回復するという親切さも、人気が出た要素の1つだろう。

hyde3
ハイドライド3
ちなみに『ハイドライド』は『3』まで制作されている。 『3』は『1』や『2』とは違い、ゲームシステムに変更が加えられている。

まず攻撃手段が体当たりからスペースキー連打になったこと。そして近距離用の剣に加えて遠距離用の弓で攻撃できる飛び道具が加わり、 攻撃に幅が出たことだ。

だが『3』は、今までの『ハイドライド』シリーズが好きなファンの中でも賛否両論がある。
それは時間や重量制限というシステムが関係している。寝ないと弱くなっていくのは良いとして(良くない)、特に重量が評判悪いのは 重量制限だ。

レベルが上がるごとに持てる重さが増えていくのだが、そこに楽しさを見出せないのである。なにせお金まで重さがある。 持てる・持てないで、ストレスを持つことになる。
もうちょっと制限が緩くても良かったと思う。

ちなみにWindowsで『1』から『3』までをプレイできるリメイク版も発売されている。

XANADU
ザナドゥ
そして、アクションRPGの人気を決定づけたゲームが登場する。ドラゴンスレイヤー2として発売 された、日本ファルコム社の『ザナドゥ』(1985年11月)である。

『ザナドゥ』は、よりアクション性が高くなり、ジャンプなどを駆使しなければ移動できない場合も あった。より軽快なアクション、巨大な敵キャラ、使っている武器がレベルアップしていくという斬新さ。

今まで使っていた武器の方が新しく入手した武器よりも使いやすいという、現実的な”熟練度”を 用いた点は、当時のプレイヤーを驚かせた。

そしてプレイヤー達をもっとも悩ましたのが”カルマ”だ。倒してはいけない敵を 倒すと”カルマ”が溜まっていく。この”カルマ”があると、レベルが上がらなくなってしまうのである。 でもやっぱりRPGだと、オラオラー!って感じで行っちゃうでしょ! 行くよね!(逝) やっぱり人間って さ、業が深い生き物なんだからさ(逝)

目的はドラゴンを倒すことと決まっているが、そこに行くまでの過程はプレイヤーに大きくゆだねられていた。『ハイドライド』とは違い、自由度を感じられるのがこの『ザナドゥ』の特徴だろう。

リメイクされたのでプレイした人も多いと思うが、今のプレイヤーがプレイしても面白いと思うかが興味深いところだ。


余談
『ドラゴンスレイヤー』の生みの親である木屋善夫氏は、自分が関わったゲームを全て『ドラゴンスレイヤー』のシリーズと定義付けていた。

『ザナドゥ』、『ロマンシア』(1987年3月)、『ソーサリアン』、『ロードモーナク』へと続いていく。
・・・ハドソン社の『ファザナドゥ』(1987年11月)とか、ナムコ社の『ドラゴンスレイヤー4』(1987年7月)はどうなんだろうか?(逝)

romancia
ロマンシア
faxandu
ファザナドゥ
dragon_sliyar4
ドラゴンスレイヤー4

 


シナリオを追っていくタイプのハイドライドシリーズと、自由度の高いドラゴンスレイヤーシリーズは、両社の看板ソフトとなり 、人気シリーズとなっていく。

 
sorcerian.gif
ソーサリアン
  そしてドラゴンスレイヤーシリーズながら、一風変わったゲームシステムを持つものがある。『ソーサリアン』だ。

『ドラゴンスレイヤー』にしろ『ザナドゥ』にしろすべて自分1人だけだったのだが、『ソーサリアン』はパーティーが組めた。

 

なによりも特徴的なのが、魔法の掛け合わせである。これは数ある魔法を組み合わせると、より強い魔法が作れるといったものだ。もちろん、威力が半減する場合もあるのだが。
この組み合わせを探るのだけでも、十分に楽しめたプレイヤーは多かったのではないだろうか。

しかもこのゲーム、キャラクターに寿命がある。せっかく強く育ててもいつかは死んでしまう。・・・のだが、あることをすると不老不死になれる。これを利用して魔法の組み合わせを色々と楽しんでプレイした人も多いだろう。

また追加シナリオという形で、次々と新しいシナリオをプレイすることが出来た。これはファンにとって嬉しい。長く遊べる要素を用意したというのは、良い事だと思う。

sorcerian.gif
ソーサリアン 追加シナリオ
sorcerian.gif
ソーサリアン 追加シナリオ

 
YS
イース
  やがて日本ファルコム社は、『イース』(1987年6月)という名作ARPGを創り出し、人気メーカーとして確固たる位置を築いた。

このゲームは、ビジュアル・演出・戦闘システム・シナリオが抜群に絡み合っており、いまプレイしても色あせないほど高い完成度だ。ぜひプレイしてみて欲しい。

 

なお『イース』は2003年11月現在、『6』まで発売されている。『1』などは何回もリメイクされているのでいつでもプレイできるはずだ(逝)
個人的には、PCE版が1番格好良いと思っている。

余談
ゲームセンターにもRPGの要素を含んだアクションゲームが登場して人気を得ている。ナムコ社の『ドルアーガの塔』(1984年)や、『ドラゴンバスター』(1985年)、アタリ社の『ガントレット』(1985年)などが有名だろうか。
また、タイトー社の『カダッシュ』(1990年)は、上記のタイトル以上に変っている。レベルアップの概念があるのである。これがあるために、えらく長い時間が掛かるゲームになってしまっていた。ゲームセンターにはあまり嬉しくない長時間プレイは、好評を得なかったようである(笑)
dorarga
ドルアーガの塔(FC版)
dragon_basuter
ドラゴンバスター(FC版)
cadash
カダッシュ

 
そうそう。変わったシステムをもつRPGといえば、このゲームを忘れてはならない。ボースティック社が発売した『レリクス』(1986年)だ。プレイヤーは最初、”影みたいなもの”だ。そしてゲームの目的も、最初はさっぱり判らない。非常に難易度が高いゲームだった。

このゲームの特徴として面白いのは、乗り移るというシステムだ。RPGというのは大体が自分自身を成長させていくものだが、このゲームは敵に乗り移って行動していく。憑依するといったら、わかりやすいだろうか?

RELICS
レリクス
敵の持つ能力などを考えて乗り移っていき、進んでいく。自分を成長させていくのではなく、能力を借りるという発想はなかなか凄い。

しかしこのゲーム。何をして良いのかが本当によくわからない。挫折した人も多いと思う。私は挫折しました(逝)

でも世の中には、クリアした人がいるんですよね、凄い。


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