1.自分が楽しめるゲーム
 
『ダンジョンズ&ドラゴン』(以下、D&Dと略す)という名前に聞き覚えはあるだろうか? RPGの元祖と言うべき、このテーブルトークゲームの名前を聞いたことがある人は多いと思う。

テーブルトークとは、マスターと呼ばれる人が考え出したシナリオを数人のプレイヤーが用意されたキャラに扮して 冒険していくゲームである。
敵と出会ったときやイベント発生時に、マスターが用意した謎やトラップを回避するためにプレイヤーはダイスを振り、 攻撃力やダメージを計算して進めていくというボードゲームである。テーブルトークの人気は今でも非常に高いが、 なにしろゲームをするのが大変なのである。

何が大変かというと、
・人数が集まらないとプレイできない。
・計算が面倒くさい。
・シナリオを用意するマスターの負担が大きい。

といった問題があった。この『D&D』をなんとか簡単に、楽にプレイしたいという想いが、 コンピュータでRPGを作りだすきっかけとなった。

ROGUE 世界初のコンピュータ RPGは、『ROGUE』(1980年)という名前のゲームで ある。
(1975年ではなく1980年に作られたという説が有力な模様。当時作ったメンバーが大学生ではなかったということのようです。)
日本では、アスキー社から1986年にパソコンで発売されている。

ダンジョンの奥深くに眠るアミュレット・オブ・イエンダーという魔除けを取って、 地上に戻ってくるのが目的なこのゲームは、様々な部分に画期的なシステムがあった。 まずは”表現方法”である。テキストが主流だっため、 画面に映し出されるのはアルファベットなどの記号であった。”D”はドラゴン、”S”はスライムといった 具合だ。

テキストアドベンチャーとは違い、メッセージのやりとりはないこのゲームだが、敵キャラクター の”S”が自分のキャラクターである”@”に近づいていてくれば、その接近する様子を視覚的に判断できた。 敵は確かに文字なのだが、そのキャラクターの姿はプレイヤー個人個人の目によって違って見えていたはずだ。

発想として素晴らしいのは、プレイヤーが潜るダンジョンがプレイする度に変化することである。 つまり何度でも新たに作られたダンジョンで遊ぶことが出来たのである。

何度プレイしても楽しめる。

これはゲームマスターの代わりをコンピュータがするという発想から来たのだろう。また普通に 作っていたのでは、自分が作りだしたイベントやトリックなどは分かってしまうので、こういうシステムに なったのかもしれない。いずれにせよ、自動的にコンピュータが迷路や罠を作ってくれれば、作った本人さえ 楽しめる。こういう発想が、面白いゲームを創り出す要因なのかもしれない。

そして何といってもこのゲームの肝は、”戦略性”だ。どの様に敵と戦えば、無事に生還できるか?  このゲームにとって、生き延びることが最大の目的であり、醍醐味であった。




敵が遠くにいる場合。
敵に囲まれた場合。




様々なケースがプレイヤーを悩ませ、

どうやったら倒せるか。
どうやったら生き延びられるか。



その苦しみはまた、楽しみでもあった。

それに加え、おまけ的要素だったのかもしれないが、このゲームは冒険結果がスコア表示された。複数のプレイヤーがランキング争いが出来るという面白さが用意されていた。 1人でプレイしていても、他の人との関わり合いを用意して、ゲームにコミュニケーションを持たせた。この要素は1人でプレイしていても対抗心に火をつけるので、プレイに興じる人が多かった。

『ROGUE』の主要メンバーは、カルフォニア サンタクルーズ大学の学生であるマイケル・トーイ氏とグレン・ウイッチマン氏。そしてマイケル・トーイ氏がカルフォニア大学バークレイ分校に編入した時に出会ったケネス・アーノルドが開発メンバーとして加わった。

UNIX上で動作するこのゲームは、大学で瞬く間に大人気となる。またバークレイ分校が、UNIXの中でも人気を博していたBSDの開発元でもあったため、BSDに『ROGUE』が同梱された。この結果、全世界で『ROGUE』がプレイされることになった。その後、『ROGUE』が与えた影響は、現在のゲームフリークの方たちならご存じであろう。RPG世界に大きく関わる存在のゲームは、こうして世に出たのである。

もし『ROGUE』の事を詳しく知りたいのなら、アスキー社から 発売されている『Win ROGUE』(1997年)がお勧め。

この本には3D化された『ROGUE』が付いてくる。本の中身は非常に良く出来ていて、 RPGの遍歴やファンタジーに関する記述が細かく載っている。『ROGUE』が好きな方にはもちろん、 ファンタジーやRPGが好きな人にはぜひ一度、見て欲しい。いや決して、この本の制作に協力したからという訳ではなくて(逝)

なお、ゲームの方に関しての感想ですが、やりこめば面白くなります(逝)

WinRouge
Win ROGUE

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