9.友美〜
 
何時の頃からだろうか、AVGの人気がRPGやSLGよりも落ちたのは。パソコンゲームが盛んな1980年代は、RPGやSLGの人気はあれど、決して負けてはいなかった。

パソコンゲームの人気が無くなった理由は、2つ有ると思われる。

1つはパソコンよりもコンシュマー機のゲームをプレイする人が多くなり、プレイヤーの層が変わった事だろう。その理由は、紛れもなくファミリーコンピューターである。任天堂社から発売された『スーパーマリオブラザーズ』(1985年9月)が大ヒットし、その後にエニックス社から発売された『ドラゴンクエスト』(1986年5月)が、プレイヤーの趣向を変えた。このゲームの面白さが口コミで広がり、『ドラゴンクエスト2』(1987年1月)が発売されたときに、ゲームが社会現象という表舞台に登場した。発売日の徹夜組5000人以上、ソフトを手に入れるために恐喝する輩などがニュースでも取り上げられ、有名ソフトとして広く認知された。

パソコンは高価だがファミコンなら手ごろな値段でゲームが遊べるため、今まで家でゲームで遊ばなかった人たちもプレイし始めた。購買層の広がりにより、メーカーもパソコンからファミコンへと開発環境を移していった。こうした事情により、パソコンゲームの発売本数が減ってしまった。

しかしパソコン上でAVGは生き残った。日本では美少女ゲームといわれる、現在でいうギャルゲーのお陰でAVGの人気が続いた。詳しくは、アダルトゲームの歴史を参考にして欲しい。

もともとAVGは、単純なシステムでゲームを作ることが出来るので、新規に開発する作業が他のジャンルのゲームよりも楽だと言われている。ゲーム業界を牽引するファミコンに参入するには資金が足りないメーカーや、任天堂社が規制していた表現内容ではゲームを作りたくない・作れないといったメーカーは、参入が自由で開発コストを安く上げられるパソコン上でAVGを作り始めた。

AVGはビジュアルで勝負できるジャンルでもあるため、アニメファンも多いお国柄かグラフィックがよければある程度の売り上げが見込めた。そしてユーザーの方も、パソコンでしかHなゲームが出来ないという理由で、パソコンを買った人も多かったようである。

だがユーザーの目が肥えてきて、いわゆるオカズソフトと言われる、ただグラフィックが綺麗なだけのゲームでは満足できないユーザーも増えた。そしてメーカーもそれに応え始め、ストーリーやシステムにおいて完成度の高いゲームが数多く登場してくるようになった。

中でも美少女ゲームというジャンルを一躍有名したのは、エルフ社の『同級生』(1992年12月)だろう。もちろん、この前にも優れたゲームは数多くあるのたが、広くファンの注目を集めたのはこのゲームが最初だと思われる。(但しこのゲームをAVGと言うと、エルフ社は違うというかもしれないが・・・。)

今までの美少女AVGというか、美少女ゲームは、出てくる女の子とHをする事が目的であった。しかしこのゲームは、確かにHが目的かもしれないが、その根底には『恋愛』があった。恋愛の結果にHがあったのである。


ときめきメモリアル
『同級生』は、PCエンジンやプレイステーションなどでも人気を博したコナミ社の、『ときめきメモリアル』にも影響を及ぼしている。

そして『ときめきメモリアル』も、『同級生2』に強い影響を与えている。(顔を赤らめるとかね)

『同級生』の特徴として、『時間』がある。ゲームを進行していく中で、時間を気にするゲームは少なくない。古くは『トランシルバニア』の様に入力したコマンド分、時間が進んでいくタイプや、ハミングバードソフト社の『アグニの石』(1988年4月)の様な、行動により時間が進んでいくタイプがあった。

しかしこれらのシステムは人気が無く、殆どのアドベンチャーゲームというのは、「時間」という物の定義を”ストーリーが進行するための表現”として使っていた。つまり「この謎を解くと、ここにいた人が居なくなって進めるようになる」といった、俗にいうフラグとして存在していた。

キャラクターに出会ったり、移動すると”時間が進む”というのは珍しく、またプレイヤーに面倒くさがられるシステムでもあったのだが、そのシステムを取り入れた『同級生』の場合は、キャラクターの魅力とその魅力を引き出した恋愛ストーリーが面倒くささを上回り、大ヒットとなった。このゲーム以降、恋愛をテーマにしたAVGが続々登場する原因となったほど、インパクトを持っていたゲームだった。

また、美少女ゲームの特徴として、おまけが有ることが多い。それは、クリア後にCGが見られたり、ゲーム中の音楽が聴けたりといった内容である。特にCGは、「達成率何パーセント」と表示されることが多く、全CGを見るためにプレイヤーは必死になる。これは美少女を題材にしたゲームだからこそ有効であり、特徴的なシステムでもある。ハミングバードソフト社の『地獄の練習問題』(1984年7月)で使われた、点数を付けるというシステムが発展した形であると言えよう。

現在、可愛い女の子が登場して萌えられるゲームはひとつのジャンルとして定着し、Hシーンが無くても多くのユーザーに受け入れられている。

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