10.聴覚による想像力
 
AVGというジャンルが、通称ギャルゲーという美少女ゲームに支配されていた中で、そのゲームは突然登場した。それとは、チュンソフト社がスーパーファミコンで発売した『弟切草』(1992年3月)である。このゲーム、サウンドノベルと題したゲームで、画面に表示されるテキストを読んでゲームを進めていくゲームなのである。ビジュアルで押していくのが当然の風潮の中、遙か昔に登場したテキストアドベンチャーを発売したのである。

当然、ただのテキストアドベンチャーであったら、ヒットはしなかっただろう。このゲームがヒットした理由、それは”音”である。サウンドノベルと詠っている様に、所々に効果音が入り、ゲームの雰囲気を盛り上げていく。そして同時に、想像力を掻き立てる背景に表示されるテキストを読むことによって、想像された世界が効果的に広がったのである。 この”音”に注目した、中村光一氏のセンスが光るゲームである。

シナリオもマルチシナリオ・マルチエンディングによって、何度でもプレイする楽しみがあった。しかも全シナリオを完全に読破すると別のシリオが登場し、また新しいシナリオが楽しめるというおまけ付きであった。
このサウンドノベル形式のゲームは人気を博し、チュンソフト社はスーパーファミコンで『かまいたちの夜』(1994年11月)・セガサターンで『街』(1998年1月)というサウンドノベルを発売し、好評を得ている。
また『弟切草』・『かまいたちの夜』・『街』の3作品は、プレイステーションでリメイクされている。『街2』はいつ発売されるのだろう・・・。ほんと、いつまでも待っていますからね!

otgirisou
弟切草
kamaitachi
かまいたちの夜
kamaitachi

この”音”を前面に出した面白いアイデアのゲームが、ワープ社からセガサターンに登場した。
『リアルサウンド〜風のリグレット〜』(1997年7月)である。このゲーム、なんと画面に何も映らないゲームなのである。おそらく世界初だろう。 というか、ゲーム界の風雲児と名高いワープ社の社長である飯野賢治氏しか思いつかないアイデアだと思う。

シナリオの分岐時にはチャイムが鳴り、方向キーで進みたいシナリオのコメントを聞いてストーリーを進める。声や音だけによってストーリーを想像して進める、マルチシナリオ・マルチエンディングのAVGだ。

声優には柏原崇氏・菅野美穂・篠原涼子・裕木奈江などの豪華俳優を用意し、脚本も『東京ラブストーリー』の坂元祐二氏、音楽はムーンライダーズの鈴木慶一氏である。

「まるでラジオドラマだ」「いや、サウンドノベルとして最高のゲームだ」という賛否両論あるゲームだが、私としては実に面白いゲームだった。
こういう、なんていうか、ハイテクの無駄使いっぽい作品は貴重です(逝)

しかし、売れなかったみたいですね。でもでもまた新しいリアルサウンド作るんですってね!
流石は飯野氏。って続編を期待していたのに、ワープ社がゲーム業界から撤退してしまいました(逝)

社名も変わっちゃいました。やっぱり天才はなかなか理解されないという事で(逝)

※このHPで表示されているゲームの著作権は、各メーカーにあります。
画像・文章の転記はしないで下さい。

BACK  TOP