9.これで人生が変わりました
 
1995年という年は、何人かの人生を変えた年かも知れない。年末には新しいOSであるWindows 95(以下Win95と略す)が発売されることになっており、にわかにパソコン業界が盛り上がってきた年であった。もう猫も杓子もパソコンと叫び、会社には本格的にパソコンが導入され、ダウンサイジングの風が吹き荒れていた。パソコンが使えなきゃ人間じゃ無いというような雰囲気まであった。
人生が変わってしまった人いるでしょうね〜。っていうか、私の居た会社の人は変わっていました。
 

パソコンにはCD−ROMが最初から搭載される機種の数が増え始め、それにより、今までよりも更に大容量時代へと進んでいくことが明らかになっていた。そしてWin95の登場により、IBM互換機(通称 DOS/V機と呼ばれている物)と98とのOSが違うという境が感じなくなっていく。その理由は、同じWin95というOSならば、マシンがなんであろうがゲームソフトの方には影響がないからである。(詳しく言うと、英語版と日本語版では・・・という話しもあるがここではカット)

そしてその影響は、翌年以降にはっきりとした形で目に見えるようになる。

この年のアダルトゲームは、発売された数が今までの年と比べて多い。これは電球が寿命間近に1番光るかのごとく、98の寿命を表していたのかもしれない。


Doukyusei2
同級生2
(Win95版)
1995年。1本のゲームが、今のような恋愛ゲームの人気をこのゲームが作り上げたと言っても過言ではないだろう。
エルフ社が発売した『同級生2』(1995年1月)。このゲームが登場したことによって、何人の人が登場するキャラクター達に心を奪われたことだろう。とりあえず、友美Love☆

『同級生』の発売以来、ファンが待ちこがれていた作品でもあったため、初回からかなりの数が売れた。

しかしこのソフトの凄いところは、1年間を通して売れつづけたということである。ゲームが売れる時期というのは短い。特にアダルトゲームの場合は尚更だ。だがこのゲームは売れ続けた。面白さが口コミで広がっていった結果だろう。

Hが目的のゲームではなく、恋愛を純粋に楽しむ。登場しているキャラクター達と話して、時には悩みを聞き、時には笑い、当たり前のようにゲームの世界の中に彼女たちが存在していた。

相手が大好きだからHをする。体が先ではなく、心が先だという事を示した作品だった。このゲームの登場により、恋愛ゲームが更にブームとなる。

そしてもう1つ。『同級生2』とは対照的ともいえるソフトが登場した年でもある。


seek
SEEK
PIL社の『SEEK〜地下室の牝奴隷達〜』(1995年3月)だ。SM調教という、今までにないジャンルを専門としたPIL社が発売したこのゲームは、育成(調教)というシチュエーションを用意し、自分好みの女の子を育てるというジャンルをプレイヤーに示した。

今までのゲームの中に登場する女の子達は、予め”用意されている”キャラクターだった。決して自分の思い通りにすることは出来ない。

『カスタムメイト』の様に設定することが出来るゲームはあっても、ゲームのプレイ過程においての女の子の心理を自分の手では変えられない。

しかし『SEEK』の場合、女の子を自分好みに育てることが出来た。育てる要素としてSMという、世間から見たらアブノーマルな題材を使っているが、プレイヤーがゲームの中のキャラクターに対してアクションを起こし、その結果が返ってくるというゲームシステムは、ゲーム性が高いといえるだろう。

また、「ゲームというのはこういうことも出来るんだよ」という、可能性を示唆したという点に置いても、評価されるゲームだと思う。それぞれ人によって愛の形は違う。ゲームでの恋愛を受け入れる人が『同級生』の様な恋愛を求めているか、また『SEEK』の様な恋愛を求めているか・・・ということだけである。それは両ソフトが多くのプレイヤーから好評を得たという結果で立証されている。・・・私にはSMという行為を理解することは出来ないが、偏見を持ってはいけないと思う。

『SEEK』が登場して以来、女の子を調教して自分好みに育てるというゲームが増えることになる。また、”自分好み”=”自分の思い通り”という展開に発展し、いわゆるダーク系と言われる作品が数多く発売されるようになる。多分、自分の新たな面を見いだした方が多いのだろう。


eve
EVE
また名作ゲームとして忘れてはいけないゲームがある。 シーズウェア社が発売した『EVE 〜bursterror〜』 (1995年11月)は、昨年発売された『DESIRE』から引き続き、ザッピングステムを用いたゲームだ。
『DESIRE』では1本のシナリオをクリアした後に、別のシナリオをプレイしても支障はなかった のだが、『EVE』の場合はプレイ途中でキャラクターを変えなければストリーが進まない場面があり、 ザッピングシステムをうまく使ったゲームだった。

シナリオの出来も申し分なく、1人の儚い少女の命が多くのプレイヤーの心に染みわたったゲームだ。

こうして、恋愛系とダーク系という2つのタイプのゲームが人気を得るという流れが、出来あがったのである。


余談

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監禁(フロッピー版)
今までのグラフィックというのは、殆どがアニメ調の2D表示だった。 だが、3Dレンダリングで書かれた珍しいゲームがある。イリュージョン社が 発売した『監禁』(1995年5月)だ。
このゲームは、フロッピー版とCD−ROM版が発売され、3DレンダリングCGで書かれているのは、CD−ROM版だ。
*当時、CD−ROMなんか持ってなかったから、画像なんてないです。
お持ちの方いらっしゃいましたら、画像を下さい。

何と言っても、今までアダルトゲームで見たこともない独特な表現方法である”CG”・・・。 パソコンの性能が上がったことにより実現できたソフトだが、まだ時期が早かった。出てくるキャラクターは 人形みたいだったし・・・。それでも頑張って作ったと思える描き方ではあったけど。

1995年12月には『エーゲ海の雫』を発売し、更に美しいCGで作られていた。 しかし、多くの人には受け入れられなかった作品だったようである。

もともとリアル系のCGのゲームは、あまり人気が出ない。アニメ調の絵柄を望む人が多いためだろう。 そんなことは作っていた側にもわかるはずである。しかし、敢えて違った方向性にトライした英断は、 賞賛に値すると思う。発想が初期のゲームのようで、私は好きだ。ゲーム内容はともかく。
 

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