6.革命
 
1992年になると完全にゲームのメイン機は、88シリーズから98シリーズとなっていた。 しかしそれでも、更なる性能の良さを求めるアダルトゲームが登場する年であった。

この頃の98シリーズというのは、16色で表示(1部機種を除く)されていた。 X68000やFM−TOWNSなどは、256色という魅力を押し出して98シリーズに対抗しようと していたいただけあって、グラフィックスの美しさは比べ物にならなかった。

当時、98シリーズで256色を表示するには、グラフィックアクセラレーターボード(以下 G/B)を 搭載する必要があった。今のようにWINDOWSなどを使うのならいざ知らず、DOS全盛期の時代に G/Bを使う必要があったのはごく1部の人達だけであった。

しかし98シリーズのゲームユーザーに、G/Bを買わせてしまうソフト力を持ったメーカーがあった。 アリスソフト社である。 アリスソフト社が発売した『SUPER D.P.S』は、 256色表示に対応したゲームだ。もちろん、搭載していなくてもプレイすることは出来る。 が、やはり可愛い女の子は、綺麗な画面で見たいというのが本音だろう(逝) 特に『D.P.S』シリーズの シナリオは当時のユーザーに歓迎されており、思い切ってG/Bを買った人も多いと思われる。

ゲームのためにGBを搭載した人はどのくらい居たのだろうか?
少なくとも私の周りには居たんですけどね(逝)


余談
グラフィックやゲーム性が向上するということは、容量が増えていく原因ともなる。容量が増えていくということは、 フロッピーディスクの枚数が増えるということだ(当たり前)
そのため、プレイしているときに行うフロッピーの入れ替えが大変だった。 しかし、その問題もハードディスクドライブ(以下、HDD)が普及してくることにより、解決されることになるのだが。

この頃のHDDは、値段が高くて容量が少なかった。だがHDDでゲームをプレイすると、 フロッピーディスクを入れ替える手間がなくなり、データのリード/ライトもディスクに比べて格段的に速かったので、 快適にゲームがプレイできた。古くからパソコンゲームをプレイされている方には、 テープのデータをフロッピーディスクに入れたときと同じぐらいの感動があったと思われる。 ・・・こんな感想が通じるのは私だけですか?(逝)

当時、ゲームをプレイするためにHDDを買った人は、何のゲームをプレイしたくてHDDを買ったのだろうか・・・?


1992年。現在のゲーム業界に大きな影響を及ぼしたゲームが登場する。
アダルトゲームというよりも美少女ゲームというジャンル名で、アダルトゲームを一躍有名にした エルフ社の『同級生』(1992年12月)だ。

プレイヤーは、高校最後の夏休みに甘い体験をするため、女の子をナンパしまくる。 ・・・と言うと、ちょっと嫌な感じがするな(逝)

dokyusei同級生
プレイヤーは、高校最後の夏休みに女の子との出会いを求めるため、色々な女の子に話しかけて 仲良くなるのが目的だ。・・・・うん、良い感じ★

実際、女の子との出会い、そして会話が非常に楽しかった。それは女の子たちにちゃんと個性が あったからだろう。今までのアダルトAVGというか美少女ゲームは、出てくる女の子とHをする事だけが 目的であった。その結果、その女の子たちの生活背景や性格、考えなどはそれほど重要視されていなかった。 (カクテルソフト社の『きゃんきゃんバニー』(1989年)もその点を考慮して作られてはいたが、 ”出会い”の演出が『同級生』よりも設定が弱かった。)

確かにプレイの最初はHが目的かもしれない。しかしプレイしていく内にわかるはずである。 その根底には『恋愛』があり、恋愛の結果にHがあるという事が。

『同級生』の特徴として、”時間”がある。ゲームを進行していく中で、時間を気にするゲームは 少なくない。古くは『トランシルバニア』の様に入力したコマンド分、時間が進んでいくタイプや、 ハミングバードソフト社の『アグニの石』(1988年4月)の様な、行動により時間が進んでいくタイプが あった。しかしこれらのシステムは人気が無く、殆どのアドベンチャーゲームというのは、”時間”という 物の定義を”ストーリーが進行するための表現”として使っていた。つまり「この謎を解くと、ここにいた人 が居なくなって進めるようになる」といった、俗に言うフラグとして存在していた。

各キャラクターに出会ったり、移動すると”時間が進む”というのは珍しく、またプレイヤーに 面倒くさがられるシステムでもあったのだが、そのシステムを取り入れた『同級生』の場合は、 キャラクターの魅力とその魅力を引き出した恋愛ストーリーが面倒くささを上回り、大ヒットとなった。

出会う女の子たちが非常に生き生きとし、街の中で本当に生活しているように感じられるほど リアルティーがあった。女の子たちを性の対象ではなく、恋愛の対象にしたこのゲームの功績は大きいと思う。

このゲーム以降、恋愛をテーマにしたAVGが続々登場する原因となったほど、 インパクトを持っていたゲームだった。

また、”アダルト”という理由ではなく、”グロさ”の為に18禁となったソフトがある。 フェアリーテール社の『デット・オブ・ザ・ブレイン』(1992年4 月)は、 その残酷な表現があるが故に18禁となったゲームだ。 といっても、カプコン社の『バイオハザード』(1996年3月)と比べたら、全然過激ではないんだが(笑)

また18禁という事に対して、変わった販売方法を採用したゲームがある。 エルフ社が発売した方法で、一般向け用と成人向け用の2種類のタイプを用意して販売していた。 『ドラゴンナイト3』(1991年12月)、『天神乱魔』(1992年3月)、 『雀JAKA雀』(1992年11月)である。 このゲームは、一般向け用と成人向け用の2種類のタイプが用意されていた。一般向けの作品には、 アダルトなCGが取り払われていたのである。

しかし殆どの人は”成人向け”のゲームを買った。同じ値段でHなシーンがない方のゲームを 買う方が珍しいだろう(逝)
もちろん、未成年の方達は成人向けなどは買う・・・というよりも、選んではいけない。
でもみんなエッチなんだもの☆

ということで、あっけなくこの様な2種類のタイプを発売する方法はボシャった(逝)

売れなかったのも原因でもあるが、同じ様なゲームを2種類用意するというのは、 作る方も売る方もしんどいのである。ただでさえこの時代は、5インチ版と3.5インチ版の2種類の ディスクタイプのパッケージを作らなくてはならなかった時代だ。手間が掛かってしょうがないというのも、 無くなった理由の1つだろう。
 

以上のように、ゲーム的に色々と革命的なゲームが登場した年であった。


余談
他に1992年制作のゲームで面白いソフトというと、カクテルソフト社の『きゃ んきゃんバニー プルミエール』(1992年7月)、エルフ社の『DE・ JA2』(1992年6月)、アリスソフト社の『Dr.STOP』(1992 年4月)、姫屋ソフト社の『PHOBOS』(1992年7月)だろ う。

Dr.STOP
Dr.STOP
(WIN95版)
『Dr.STOP』は、 アリスソフト社『アリスの館4・5・6』(1997年12月)の 中に入っているので、ぜひプレイして欲しい。でも今の人はつまらないというかも。何故かと言うと、 18禁ゲームなのにあまり画像が出ない。
テキストAVGっぽいのである。

絵は小説などのような”挿し絵”と思って頂けたら良いかも知れない。

ストーリーを読んで、先が気になるという楽しみ味わえるゲームだ。プレイした方ならわかると思うが、 病院の謎を追う内にわかってくる病院の謎。ラストへと続いていく激しいストーリーの流れに、 このゲームのシナリオの厚みを感じたはずである。・・・私だけだったりして(逝)

deja2
DE・JA2

あと特に、この『DE・JA2』はお奨め。コマンドを総当りしなければならないのが ちょっと面倒くさいかもしれませんが、エルフ社の台詞回しが好きな方なら絶対に気にいると 思うゲーム。

はぐれ考古学者となって古代遺跡の謎を解いて行く内容で、先が気になって止められない展開だ。 今の画像だけに頼っているゲームに見習って欲しいものである。


所々に、画面をクリックすると隠れキャラが出たり、普段はふざけた口調で会話していた主人公が、ポイントポイントで格好良くなった り・・・。エルフ社得意のテンポと、練りこまれてシナリオがうまく絡み合った良質のAVGですぞ。

私はとてもこのシリーズが好きでして・・・。最近のエルフ社はリメイクが多いですから、ぜひともこのゲームもリメイクして欲しい ものです。それ以上に続編が出て欲しいですが(笑)

2004年5月28日に、『DE・JA』シリーズがリメイクされて発売!


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