13.前を向いて歩いていますか?
 
大人になるという事は、一体どう言う事だろう。歳を重ねる事か、それともHを体験した事なのか・・・。人それぞれによって、”大人”という定義は違ってくると思うが、私は”経験”だと思っている。いや体験と言った方が良いかもしれない。

辛い事、悲しい事、楽しい事、嬉しい事・・・。色々な出来事を体験した人というのは、例え体験した事が無い出来事に対面したとしても、その経 験からどういう行動を取れば良いかという判断を考えられる。つまり慌てない、対応が取れる、判断力があるetc・・・。その場に応じた対応ができる人が、 色々な苦労をしてきた人が大人だと私は思う。「もう○○歳だから処女や童貞を捨てなきゃ」と考えてHしたところで、実際には大人にはなれない(逝いきって いいのか?)

Hをして大人になるというのは、ある意味では間違っていないと思う。ほんのちょっと前までは、大好きな人と本当に好きになったらHというパターンだったからだ。ところが今は、会って直ぐにH。心が育む過程が無ければ・・・これでは成長が無い。(と私は思う)

え〜話しが親父臭くなってきたので、ゲームの話に進みます。


kanon
Kanon
1999年は、このソフトに尽きると思う・・・。KEY社から発売された『Kanon』(1999年6月)は、もう反則的なシナリオと音楽のできの良さで、多くのユーザーを虜にした。音楽CDが付いている初回限定版は、えらい金額がついていますしねぇ。

幼い頃を過ごした街に引っ越した来た主人公だが、なぜか昔の記憶が無い。それは以前、この街に住んでいたときの事件が関係しており、思い出し たくないためであった。しかし主人公はこの街に戻ってきた。そして止まっていた時計の針はまた動き出す。その結果、色々な女の子達との出会い、別れが訪れ る。


このゲームのシナリオがベタだと言う人も多いようだが、私は感動した。それは単純に「ああ良かったね」とか「そんなぁ」という気持ちでした。でも単純だけど心に訴えてくるものは強い、私はそう思う。

あゆ、真琴、栞、舞、名雪というキャラクターと共に過ごした時間によって、主人公は自分に何が出来て何が出来ないのか。・・・誰かのために何 かするという行為に意味があるのか無いのか。そういう事を考えて行動したその結果、間違い無く主人公はひとつ大人になった、つまり成長したと思える描写が 上手に表現できていて、思わず作ったスタッフにグットジョブ!と握手したくなります。

システム的になにか特徴があるわけではないが、このシナリオだけは後世に語り継いで欲しい、そんな1本。


kana
加奈〜妹〜
感動という点では、こちらのゲームも負けていないだろう。 D.O社『加奈〜妹〜』(1999年6月)は、重病の妹を持つ兄が主人公である。

私は妹属性は無いので敬遠していた。・・・本当は『星の砂物語』をプレイして以来、D.O社のゲームを避けていたからという理由もあったかもしれないが、それはまあ置いといて。

評判が良いので購入してみたら、これが泣ける泣ける。


ある意味、人の死と言うものを扱うというのは、人の心に衝撃を与えやすいし、あ まりにも安易な手で反則だと思っていた。しかしこのゲームは、妹という存在をプレイヤーに愛しいと思わせ、そして守らなければいけない、大事にしなければ ならない存在として捉えさせる、話しの進め方がとてもうまい。

兄として、男して、加奈にしてやれる事を常に考え、生死というものと対面して乗り越えた主人公は、最高に格好良く見える。一人の女性を包み込 める大人になるというのはこういう事なんだなと、プレイし終えた後にしみじみと感じる事が出来た作品だった。ぜひとも妹ものに敬遠する人にも、プレイして 欲しい作品だ。


refrain blue
リフレイン・ブルー
年齢を重ねていても、成長した、1つ大人になったと感じられる点で、このゲームも同じだ。エルフ社から発売した『Refrain Blue』(1999年11月)は、エルフ社初のビジュアルノベル。

これが出るまでリメイク品ばかり出していたので、久々のオリジナルゲームかつ、待望の新作だった。


このゲームのポイントは、”過去からの呪縛”をやぶる事。

主人公は、とある学校の臨海学校の添乗員として、思い出の海へとやって来る。この海は、7年前に深景と一夏を過ごした思いでの海。なぜ彼の元からいなくなってしまったのか。謎は女学生たちと触れ合ううちに紐解かれていきます。

そしてそれは、主人公に対する深景の愛。愛するが故に取った行動。それは、

―別れ―

愛していながらも、別れなければいけない。しかも別れた後の主人公の心が判ってしまうほど愛しているのに辛い選択をしなければいけない彼女の心境が、プレイしていくうちに伝わってきます。

そして別れた意味を理解していく主人公。

深景シナリオをプレイし終えたとき、主人公が大人になったという実感がプレイヤーに伝わってくると思える、これまた良作のAVG。

ただ残念なのは、やっぱりHシーンになると主人公が突然オヤジくさくなる事ですな。
また、深景のシナリオが前提に作られているので、そのほかの女の子達の扱いがちょっと書き足りない気がしないでもない。

これら3本のゲームは、人の生死が根本に流れている。辛い状況から立ち直るのは、あらゆるパワーと時間が必要かもしれない。でもそこ から1歩踏み出していくということが生きる事だと思う。それをわからせるとまではいかないかもしれないが、その事を感じさせてくれたゲームたちである。


余談
この年で他に人気を博したのは、リーフ社の『こみっくパーティー』(1999年5月)や、アボガドパワーズ社の『週末の過ごし方』(1999年4月)かな。

もう発売されるソフトの数が多すぎて、何がなんだか。



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